《Facebook掲載中》リーフレットQ&A④

2022年3月22日

Q4:会社として、セクシュアル・マイノリティも働きやすい職場づくりに取り組もうと思うが、何からやればいい?とりあえず研修?トイレを新設?

A4:職場の状況に合わせた取り組みを行うことが大切です。

場合によっては、「研修」「トイレや更衣室等の設備の改善」等のSOGIに焦点をあてた施策よりも「個人情報保護管理体制の整備」といった一般的な労務管理の改善がダイバーシティ施策として有効なこともありますし、会社の施設や経営状態にそぐわない取り組みは現実的ではありません。

また、既に社内に当事者がいることがわかっている場合には、できるだけ当事者本人の意向を丁寧に聞き、施策に活かす必要があります。


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ダイバーシティ推進、特にSOGIに関わる問題に取り組む場合、


・研修

・ハラスメント等禁止規定の明記、ポリシーの策定

・福利厚生の対象拡大等、社内制度の整備

・相談窓口の設置

・採用活動の見直し

・トイレや更衣室等の設備の改善

等を行う会社が多いと思います。


もちろんこれらの取り組みは大切ですが、職場の状況によっては、

・個人情報保護管理体制の整備

・長時間労働の是正

といったことが何よりのダイバーシティ施策として機能することもあります。


例えば、個人の秘密が守られない社内風土の中で相談窓口を設置したところで、セクシュアリティをオープンにしていない従業員が、セクシュアリティにまつわる困りごとをこの窓口に相談する可能性は低いでしょう。セクシュアリティのことに限らず「個人情報は社内の仲間相手でも勝手に言いふらさない」という教育を全従業員に行い、簡単に個人情報を漏らすことができないシステム・社内体制を作ることで、周囲に打ち明けづらい困りごとを抱えた従業員も、トラブルが小さいうちに会社に相談しやすくなります。


また、既に当事者が働いていることが分かっている場合、その人の意向を考慮することなく通り一遍の施策を行ってもあまり意味がありません。その人の他にもセクシュアリティをオープンにしていないセクシュアル・マイノリティがいる可能性に配慮しつつも、当事者本人の意向をきちんと聞いて、施策に活かす必要があります。


例えば、職場のトイレに入りづらいと感じているトランスジェンダーは非常に多いことが知られ、「職場のLGBTs対応」と聞いて真っ先にトイレを作ることを思い浮かべる方も多いようですが、実際にトイレで困っているという方に要望を聞くと


・職場の仲間に、自認する性で男女別のトイレを使うことを受け入れて欲しい

・「だれでもトイレ」を使うのに抵抗はないが、自分の職場から遠いので、近くに「だれでもトイレ」

が欲しい

・男女別でないトイレを使いたいが、車椅子やオストメイトに対応したトイレを塞いでしまうのは申し訳ない

・少し遠くても人に会いづらいトイレにゆっくり行きたいので、長めのトイレ休憩が欲しい

・ジロジロ見られないのならなんでもいい

・男子トイレの中に個室を増やして欲しい

・男子トイレの個室の中にサニタリーボックスが欲しい


等、本当に様々です。


これを無視してトイレを作ったところで、当事者にとっては的外れで誰も利用しない、ということになりかねません。

さらに、トイレを新設する要望があったとしても、職場の規模や不動産契約の形態によってはトイレを改装・新設することが難しいこともあり、実際には現状の設備の使用方法を工夫して解決を目指すことがほとんどです。


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☆社会保険労務士は、労働法の知識と労務管理の知見に基づき、職場の改善について、個々の会社の状況に合わせた提案をします。