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《Facebook掲載中》リーフレットQ&A②

2022年3月22日

Q2:職場で、セクシュアル・マイノリティであることを性的な言葉でからかわれた。
抗議したらひどい嫌がらせを受け、精神疾患にかかり働けなくなってしまった。
これからの生活が不安。どうしたらいい?

A2:セクハラの問題が会社の中で解決できない場合、状況に応じて外部の専門家や公的機関をうまく使うことが大切です。

生活費については、公的な保険から給付を受けられる場合もあるので、受給要件にあてはまるか確認してみてください。


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男女雇用機会均等法において、セクシュアルハラスメントは以下のように定義されています。


1.職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したことで解雇、降格、減給等の不利益を受けること(対価型セクシュアルハラスメント)

2.性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったために、労働者の能力の発揮に大きな悪影響が生じること(環境型セクシュアルハラスメント)


これらのセクシュアルハラスメントに該当することが明らかな場合は、性別、性的指向、性自認に関わらず均等法上のセクハラであり、会社には法的な責任があります。また、均等法におけるセクシュアルハラスメントには該当しないハラスメントであっても、就業規則等で禁止されている場合があります。


こうしたセクシュアルハラスメント等の問題が会社の相談窓口で解決できなかった場合、


・都道府県労働局雇用環境・均等部(室)の相談窓口

・労働組合

・弁護士


等、状況や望む解決の方向に応じて、外部の専門家や公的機関をうまく使うことが大切です。


・裁判を戦うほどの気力・体力・金銭的余裕がない

・会社との全面対立を避けたい事情がある


といった場合には、「あっせん」や「調停」という、公的機関を交えて問題解決に向けた話し合いをする制度を使うという選択肢もあります。

生活費については、公的な保険から給付を受けられる場合もあるので、まずは確認をするとよいでしょう。


・精神疾患にり患して働けなくなった期間について、健康保険から給付を受けられる場合があります(傷病手当金といい、病気やケガで働けない期間の所得を保障する制度ですので、他にも、例えば性同一性障害の診断を受けて性別移行の手術をするため働けない期間等にも受給できる場合があります)。

・病状によっては、厚生年金や国民年金の障害年金を受給できることがあります。

・嫌がらせが原因で病気になってしまったことが明らかであれば、健康保険よりも給付が手厚い労災保険を受給できる場合もあります。


さらに細かいところまで考えれば、

・退職後療養して、数年後に仕事を探せる状態になったときに、雇用保険の失業給付を受けられる場合があります (雇用保険の給付は退職後長い間療養していると期限切れになってしまいますが、受給できる期間を延ばす手続きがあります)。

・高額療養費を本来よりも低く請求していた場合に、払い過ぎた医療費が返ってくる可能性等もあります。


嫌がらせをした相手や会社に損害賠償請求をする場合、和解するあるいは請求が認められるまでに時間がかかることが多いものです。一方、これら社会保険の給付は条件に当てはまれば支給されるため、まず社会保険の給付を申請する方が早く生活費を手にできることがあります。


受給資格があるかどうか、素早く、広範囲に、確認をとることが大切です。


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☆社会保険労務士の一部は「特定社会保険労務士」という資格をもっています。

特定社会保険労務士は、セクハラ等個人対会社のトラブルについて、あっせんや調停を行う際に代理人になることができます。

☆また、社会保険労務士は、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金保険等、公的保険の手続きを幅広く扱っていますので、あなたの知らない制度をご紹介できるかもしれませんし、複雑な手続きや手続きが難しい状況にある場合に代行することもできます。

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